しとしとと地面を濡らしていく。
その様に、どこかほっとするのはなぜだろう?
わたしたちが生まれて、生きる間には、たくさんの悲しみに出会う。
あなたが明日を生きようと思うのにも、きっと、何か、些細な、それでいてとても大切な、よすががあるのでしょう。
わたしたちは理由がないと生きられない。そういう気持ちで生きている人がどれだけ多くいるだろう。
生きる理由。好きなものや、守りたい人、やりたいこと、そういうものたちが、理由になったら、きっと幸せだ。
そして、もしも今、何か恨みが、あなたを生かしているのなら、わたしは、その隣で雨を見つめたい。
しとしとと、世界を濡らす雨を、黙って見つめて、言葉もなしに語りたい。心に荒ぶ嵐がすぎるまで。
もしも今、あなたの悲しみが、あなたの生を止めようとするのなら、わたしはやっぱり、手を握りたい。ただ、それだけだ。
雨は降る。等しく、誰の心にも。
わたしは、わたしの心に傘をさせるようになりたい。
そして、叶うなら、泣いているあなたの心にも、傘をさしたい。
痛みは、穏やかな心に触れて、きっと癒えるのでしょう。
いつもそのことを祈っている。